高血圧性の慢性腎不全で障害厚生年金2級を受給できたケース
ご相談にいらした状況
ご本人からお電話でご相談いただき、後日無料相談会にご参加いただきました。
社労士舩田による見解
ご本人から詳しいお話を伺ったところ、腎不全の原因は高血圧にあるものの、以前糖尿病を患っておられたことがわかりました。
また人工透析は行っておられないものの、検査数値から障害等級に十分該当することがわかりました。
受任から申請までに行ったこと
高血圧が原因で慢性腎不全となった場合は、腎機能の低下が見られた時点を初診日としますが、糖尿病が原因である場合は、初診日を糖尿病でとらなければなりません。
健康診断で医師から尿タンパクなどを指摘された場合は、健康診断を受けた日を初診日とすることもあり、既にカルテが破棄されていて初診日を証明できないことが多々あります。
この方も以前に糖尿病を患っておられましたので、そこを指摘されてしまう可能性が考えられました。
そのため医師に診断書を作成してもらい際は、原因は高血圧であることをしっかり明記してもらい、病歴就労状況等申立書も、糖尿病は大分以前に寛解していることを強調して作成しました。
また受診状況等証明書(初診日の証明)を医師へ作成依頼した際に、高血圧性の慢性腎不全は腎機能の低下が認められた日であることを説明したのですがご理解頂けず、全く関係ない日付を初診日として記入されてしまいました。さらに糖尿病で治療を受けていた旨や、30年以上も前に健康診断で指摘があったことなども書かれてしまいました。
そのため年金事務所の職員へ事情を説明し、ご理解いただいたうえでそのまま申請しました。
結果
無事、初診日の主張が認められ、問題なく審査していただけました。
ところが容態が悪化し、申請した約3か月後から人工透析を開始されてしまいました。
急いで年金機構へ確認したところ、既に審査は終了(おそらく3級)しており、通知をご本人へ発送される直前でした。
そのため急いで申請を取り下げ、新たに診断書を取得したうえで後日申請し、無事障害厚生年金2級に認められました。
本件のように、症状と原因があいまいになってしまうケースも多々あります。特に、腎疾患は医師の診断をしっかりと確認して初診日を確認しなければなりません。また、申請に時間もかかる場合には、容態が悪化することもあります。こうした場合、当センターにご依頼いただいている場合には、すぐに対応いたします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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