先天性近位尿細管性アシドーシスで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5074)
相談時の状況
人工透析を受けておられる、50代男性からご相談いただきました。
社労士による見解
詳しくお話を伺ってみると、約20年前にお子さんが先天性近位尿細管性アシドーシスであることが判明しました。
遺伝性の病気であったため、病院の勧めで念のために検査を受けてみたところ、ご自身も生まれながらにこの病気であったことがわかりました。
自覚症状は全くありませんでしたが、以降は定期的に通院されていました。
数年前から状態の悪化が顕著となり、数か月前から腹膜透析を開始されていました。
人工透析を受けておられる場合は、障害等級2級に該当します。
この方はずっと同じ病院に通われており、当時のカルテも残っているはずでしたので、問題なく受給できると考えました。
ただし、初診日が遡るような疑いを持たれないよう注意する必要があると感じました。
受任してから申請までに行ったこと
障害年金を勧めていく場合、まず気を付けないといけないのが「初診日」です。
障害年金は「発病日」ではなく、「初診日」が起点となります。
そのため、生まれながらの病気でも、初めてそのことで医師の診療を受けた「初診日」が重要です。
この方の初診日は、前述の検査を受けた時点と判断しましたが、過去に度々健康診断で異常数値を指摘されていたとのことでしたので、初診日が遡るような誤解を受けないように注意する必要がありました。
(ちなみに、健康診断で異常を指摘されたり、受診を指示されたりした場合でも、原則として健康診断は初診にはなりません)
腎臓疾患用の診断書は、受診しだす前のことまで医師が細かく書くことは稀ですので、初診が遡るような心配はあまりしていませんでした。
病歴就労状況等申立書をこちらで作成する際は、先天性だからといって初診日が遡るような誤解を受けないよう、細心の注意を払いながら作成しました。
結果
無事、障害厚生年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 6月 4, 2020精神の障害不支給からの再チャレンジでカルテの提出を求められたケース(事例№5083)
- 6月 2, 2020肢体の障害進行性核上性麻痺で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5216)
- 5月 26, 2020内臓系の障害初診が20年前の慢性呼吸不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№345)
- 5月 18, 2020精神の障害幼少期の脳腫瘍が原因で高次脳機能障害となったケース(事例№5120)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「腎臓の障害」の記事一覧
- 人工透析による障害年金で生命保険会社の資料を使い初診日を証明できたケース(事例№6118)
- 人工透析による障害年金で会社保管の健康診断個人票を使い初診日証明できたケース(事例№5897)
- 人工透析はしていないが腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5974)
- 健康保険組合に残されたデータで初診日を証明できたケース(事例№5739)
- 糖尿病の初診日を健診結果や紹介状から証明し障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5448)
- 初診のカルテは無いといわれていたが腎不全で障害厚生年金2級を受給できたケース(事例№5268)
- 初診は約30年前だったがカルテは無くても人工透析で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5201)
- 多発性嚢胞腎から腎不全となり腹膜透析されているケース(事例№5151)
- 約30年前の初診時カルテが破棄されていたケース(事例№5103)
- 僅かな記録を辿ることで初診日を証明しIga腎症で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№5185)
- タイムリミットギリギリで申請し腎不全で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№520)
- 糖尿病性腎症の初診日を2つの証拠を合わせて証明し障害厚生年金2級に認められたケース(事例№295)
- 高血圧が原因の腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1629)
- 腎不全で障害年金を申請しようとしたが病院に初診証明を断られていたケース(事例№1607)
- 初診日を証明できずに諦めかけたが腎不全で障害基礎年金2級に認められたケース
- 人工透析をしてなくても慢性腎不全で障害基礎年金2級に認められたケース
- ネフローゼ症候群で障害年金請求したが昭和53年の発病日を証明できず不支給とされていたケース
- Ⅱ型糖尿病性腎症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 腎不全の障害年金で初診日を不当に判断されそうになったケース
- 初診のカルテは破棄されていたが糖尿病性腎不全で障害厚生年金2級を受給できたケース
- 全身性エリテマトーデスによる腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース
- 子供の頃からの腎臓疾患で障害基礎年金2級に認められたケース
- 尿管結石を初診として腎不全で障害基礎年金2級に認められたケース
- 糖尿病性の慢性腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース
- 高血圧性の慢性腎不全で障害厚生年金2級を受給できたケース
- 糖尿病性の慢性腎不全で障害基礎年金2級を受給できたケース
- IgA腎症で障害厚生年金2級に認められたケース