聴力レベルは比較的軽度の感音性難聴で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№736)
相談時の状況
遺伝性の進行性難聴を患った40代女性について、ご主人からご相談いただきました。
障害年金については、ご自身でもいろいろ調べておられました。
社労士による見解
面談には、ご夫婦で来られました。
ご家族に遺伝性難聴の方がいらっしゃったため、十数年前に聞こえにくさを感じた際、直ぐに耳鼻科を受診されたそうです。
その後は徐々に症状が進行していき、最近は他人の話し声も音としては聞こえるものの、殆ど内容は理解できない程になっておられました。
最近の聴力検査結果を拝見したところ、両耳の聴力レベルは約60dbでしたが、最良語音明瞭度を見ると両耳と30%程度でしたので、障害等級3級に該当すると判断しました。
聴覚の障害認定基準は、数値により明確に定められています。
両耳の聴力レベルが100db以上だと1級に、90db以上だと2級に、70db以上だと3級に該当します。
しかし、聴力レベルだけを見ると比較的軽度でも、最良語音明瞭度が低いときは等級に該当する場合がありますのでご注意ください。
ちなみに3級だと、両耳の平均純音聴力レベルは50db程度でも、最良語音明瞭度が50%以下だと該当します。
また初診日の証明についても、ご主人から最初に受診した耳鼻科に確認されたところ、カルテが既に破棄したと言われたそうです。
初診日を証明できそうな、診察券や領収書なども何も残っておらず、どうすればよいかわからなくなっておられました。
受任してから申請までに行ったこと
初診の耳鼻科へこちらからお電話してみたところ、確かにカルテは破棄されていましたが、レセコンで初診日と終診日の記録が確認でき、当時の聴力検査結果も残されていましたので、それに基づいて受診状況等証明書(初診日証明)を作成してもらいました。
それとこの方は、聴力レベルだけを見ると3級に該当せず、最良語音明瞭度も認識してもらえなければ不支給にされてしまう状況でした。
普通に診断書の作成依頼をすると、最良語音明瞭度は書いてもらえないこともありますので、必ずお書きいただくよう医師へお願いする文書を作成し、受診時にお渡しいただきました。
結果
無事、障害厚生年金3級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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