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音を認識できないのに他覚的検査では反応があったため詐聴を疑われていたケース(事例№5312)

相談時の状況

聴力障害をお持ちの40代のご主人について、同じく聴力障害をお持ちの奥様からメールでご相談いただきました。

奥様も聴力障害基礎年金1級を以前から受給されており、またご本人は外国人で日本語がわからないため、面談には手話通訳の方も一緒に来られました。

ご主人はネット上で奥様と知り合い、数年前に日本へ来られ、奥様と結婚されたそうです。

幼少期から難聴で医療機関に掛かっておられたため、外国人でも20歳前障害として障害基礎年金の申請ができることを、自身も難聴で障害基礎年金1級を受給されていた奥様はご存じでしたので、奥様が年金事務所とやり取りをしながら請求手続きをされました。

両耳とも全く聞こえない状態でしたので、当然に支給されると考えておられたのですが、数か月後に不支給通知が届きました。

 

社労士による見解

まず、年金機構へ提出された診断書や病歴就労状況等申立書などの書類一式のコピーを拝見しました。

診断書を拝見したところ、オージオメータによる検査結果は確かに両耳とも100dbを超えていたのですが、所見欄に記載された聴性脳幹反応検査(ABR)では、なんと80dbとされていました。

障害年金の審査では聴力レベルをオージオメータにて測定するものとされており、両耳が100db以上だと障害等級1級に該当します。

オージオメータとは、健康診断などでも行われる一般的な聴力検査で、ヘッドホンから流れる音が聞こえたら、自発的にボタンを押して知らせるタイプの検査です。

通常はこのオージオメータの検査結果だけで審査されるのですが、元々2級や3級の障害年金を受給しておらず、いきなり1級相当の審査を受ける場合は、他覚的聴力検査の結果も必要と障害認定基準に定められています。

その理由は、オージオメータだと聞こえていてもボタンを押さなければ聞こえていないことになり、詐聴がまかり通ってしまうからです。

つまりこの方は、「詐聴を疑われている」状況だったのです。

 

受任してから申請までに行ったこと

まずはご本人の診察に同席させてもらい、状況を説明したうえで主治医のご意見を伺いました。

すると、他覚的聴力検査で反応はあるものの、本人が音を認識できていないのは確実とのことでした。

おそらくは単なる高度難聴ではなく、蝸牛から大脳に至る神経に原因がある非常にまれなケースであると言われました。

そこで、そのことを明記していただいた上で診断書を作成してほしいとお願いし、再度申請を行いました。

ところが、数か月後に再度不支給の通知が届きました。

厚生労働省へ保有個人情報の開示請求を行い認定調書を取り寄せたところ、オージオメータとABRの検査結果に整合性が無い=詐聴を疑われていることを理由に不支給と判断されていました。

当然この結果には納得できませんでしたので、審査請求(不服申立)の手続きを行うことにしましたが、前述の、「単なる高度難聴ではなく、蝸牛から大脳に至る神経に原因がある非常にまれなケース」であることは明確な証拠に基づいて証明することは不可能であり、難航が予想されました。

詐聴であるとの判断を覆せる材料を探すため、奥様が手続きされた際に年金機構へ提出された様々な資料を読み返してみたところ、母国の小学校の生活記録簿には当時から両耳が70db程度の聴力障害が認められており、また知能指数が知的障害とまでは行きませんが、ボーダーレベルであることもわかりました。

そこで、子供の頃から難聴が認められており、境界知能である本人が、将来日本に移住して障害年金を受給するために難聴を装っていたとは考えられない、ということを強く主張してみました。

 

結果

残念ながら審査請求は却下されてしまったのですが、その後の再審査請求で審査の間違いが認められ、障害基礎年金1級に処分変更されました。

 

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