脳出血による片麻痺でリハビリを継続しながらも障害基礎年金2級に認められたケース
相談時の状況
病院のソーシャルワーカーさんからのご紹介で、後日ご本人に面談へお越しいただきました。
社労士による見解
この方は約半年前に脳出血で突然倒れ、救急搬送されました。
保存治療後に他院へ移られ、右上下肢の機能回復を目指してリハビリを受けられました。
しかし残念ながらあまり改善は見られず、退院後はリハビリ専門のクリニックへ転医し、リハビリを継続しておられました。
受任してから申請までに行ったこと
本来障害年金は、初診日から1年6か月経過しなければ請求できません。
しかし脳出血や脳梗塞などの脳血管障害による機能障害は例外として、初診から半年以上経過した日後に、医師が症状固定と判断した時点から請求することができるとされています。
最終的に症状が固定しているかどうかを判断するのは、主治医ではなく審査機関です。
いくら主治医が症状固定として診断書を書いてくれても、審査機関の認定医が認めなければ支給されません。
とはいえ、症状固定かどうかは診断書や病歴就労状況等申立書に記載された情報を見て判断するだけで、本人の状態を直接確認されるわけではありません。
重要なポイントは、機能回復のリハビリを継続しているかどうかです。
この方は退院後も継続して、リハビリ専門のクリニックへ通院しておられましたが、詳しくお話を伺うと、継続中のリハビリは『機能回復』のためのものではなく、『機能維持』を目的としたものでした。
医師も症状固定と認めておられたのですが、診断書に『リハビリ継続中』とだけ書かれると、症状固定と認められなくなる危険性がありましたので、『機能維持のための』と明記していただけるよう、医師へお伝えいただきました。
こちらで病歴就労状況等申立書を作成する際は、障害状態について詳しく記載するのはもちろんのこと、症状が固定していることについても具体的にまとめました。
結果
無事症状固定と認められ、障害基礎年金2級に決まりました。
前述したように、障害状態の審査は、審査機関が本人の状態を直接見て判断してくれるわけではありません。
診断書や病歴就労状況等申立書の内容だけで判断されてしまいますので、診断書は医師に正しい認識をお持ちいただいた上で作成してもらう必要がありますし、病歴就労状況等申立書も実態を正しく審査してもらえるよう、ポイントを押さえて具体的にまとめる必要があります。
運任せの申請になってしまわないよう、まず初めに専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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