全身性エリテマトーデスによる腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース
相談時の状況
ご本人からお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
この方は約10年前に関節痛を感じ、近くの総合病院を受診されました。血液検査を受けたところ膠原病の疑いがあると診断され、大学病院を紹介されたそうです。
その後は継続して大学病院に通院しておられたのですが、約5年前から腎臓の数値が急激に悪化するようになり、3年前から腎不全となって人工透析を受けておられました。
関節痛は日常生活に支障を来すほどではなかったのですが、週に3回人工透析を受けなければならず、会社は退職せざるを得なくなっておられました。
人工透析を受けておられる場合は、それだけで少なくとも障害等級2級に該当します。
全身の関節痛が酷い場合は肢体障害用の診断書も医師に作成してもらい、同時に提出した方が良いのですが、この方は等級に該当するほどの上体ではありませんでしたので、腎臓疾患のみで申請することをお勧めしました。
受任してから申請までに行ったこと
医療機関において、カルテは『最低5年間』保存しなければならないと定められています。
そうはいってもそれ以上の期間を保管されている病院の方が多いのですが、運悪くこの方が最初に受診された総合病院は、必ず5年で破棄されてしまうところでした。
初診日は原則として、カルテに基づいて証明しなければなりません。しかしそれにかわる客観的な証拠があれば、初診日として認めてもらえる可能性があります。この方は大学病院を紹介された際に、紹介状を受け取っておられました。
大学病院に依頼してその紹介状のコピーを取り寄せてもらったところ、当時の医師により初診日が明確に記されていましたので、これを初診日の証拠として提出することにしました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められました。
障害年金制度は、非常に複雑です。
まずは初診日がどこであるのかを判断しなければならないのですが、その判断は複雑で、年金事務所の窓口で曖昧な話をしてしまうと、どんどん遡って証明を求められることがあります。そしてカルテが破棄されていることがわかり、その時点で諦めてしまう人も少なくありません。
そのような最悪のケースを未然に防ぐためにも、まずは専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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