網膜色素変性症で障害基礎年金2級に認められた事例
ご相談にいらした状況
ご本人からお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士舩田による見解
詳しくお話を伺ったところ、視力は矯正で左右それぞれ0.4以上あるのですが、視野が両目とも5度しかなく、障害等級2級に該当することが分かりました。ご自身で申請を進めようとしておられたのですが、初診日時点のカルテが既に存在しないことがわかり、どう対処すればよいのかわからなくなっておられました。
しかし詳しく状況を確認してみると、ご本人が初診だと考えておられた時点は、ご家族に網膜色素変性症の方がおられたため、念のために検査を受けたことがあるというだけでした。その時点で自覚症状は一切なく、検査結果も異状なしでしたので、初診日として捉える必要は無いと考えました。
受任から申請までに行ったこと
障害年金制度における初診日とは、「障害の原因となった傷病につき、初めて医師の診療を受けた日」とされています。つまり関係があると思われる症状を訴えて、初めて医師の診察を受けた日が初診日と認められる可能性が高くなります。
この方は自覚症状が一切ないときに受診しておられ、しかも検査結果も異状なしでしたので、そこを初診日とする必要はありません。しかしそういった情報を診断書などに書かれると、そちらが初診日ではないかと疑われ、証明できない場合は障害年金を受け取れなくなります。そういった事態に陥らないよう、初診日の証明(受診状況等証明書)の作成を依頼していただく際の作成依頼文をこちらで作成し、ご本人から医師へお渡しいただきました。その甲斐あって、問題のない初診日証明をとることができました。
結果
無事、障害基礎年2級に認められました。
障害年金を申請する上でまず初めに気を付けないといけないのは、初診日がどこであるのかを慎重に判断することです。医学的な判断が必要な場合も多くありますので、年金事務所の窓口では判断できません。初診日を正しく判断できずに申請してしまうと、取り返しのつかないことになる場合がありますので、まずは専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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