障害手当金相当の視野障害で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№7541)
相談時の状況
悪性腎硬症により腎不全となり、人工透析を受けておられる40代の男性からご相談いただきました。
年金事務所へ相談に行かれたところ、窓口で初診日と指摘された医療機関にカルテが残されておらず、どうすればよいかわからなくて困っている、とのことでした。
社労士による見解
この方はずいぶん前に健康診断で高血圧を指摘され、通院して投薬治療を受けるようになったそうです。
今から約10年前に高血圧で通院していた医療機関で腎機能の低下を指摘され、大学病院を紹介受診し精密検査を受けたところ、悪性腎硬症と診断されました。
その後は徐々に症状が悪化していき、数年前から人工透析を受けるようになったとのことでした。
年金事務所の窓口へ相談へ行くと、高血圧で初診を判断すると言われ、その指摘を受けた健康診断日が初診日となるので、その証明を取るよう言われたそうです。
しかし、約10年前に出された通達で、健康診断日は障害年金の初診日として取り扱わないこととなりました。
なので、健康診断日は原則として初診日と判断されません。
また、障害年金制度の初診日は、「障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日」と定義されていますので、申請を検討している障害の原因となった傷病が前にあれば、そちらで初診日を判断する場合があります。
しかし関係があると判断される傷病は、「相当因果関係」があると判断された場合のみです。
相当因果関係とは、「その傷病が悪化すれば、大体その障害に至る」と判断できるほどの因果関係のことです。
高血圧は確かに腎疾患と「因果関係」はありますが、高血圧は万病の元であり、高血圧が悪化したからと言ってみんなが腎疾患を発症するわけではありませんから、「相当」とまでは判断されません。
そのため、高血圧が原因であったとしても、高血圧で初診日を判断することはなく、この方の場合は初めて腎機能の低下を医師に指摘された時点であると判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
まず、高血圧で通院していた医療機関で腎機能の低下を指摘されていましたので、そちらで受診状況等証明書(初診日証明)を作成してもらおうと連絡してみたところ、残念ながらカルテはすでに破棄されていました。
そこで紹介受診した大学病院へ問い合わせたところ、カルテと合わせて紹介状も残されていましたので、受診状況等証明書の作成を依頼する際に、紹介状コピーもつけていただくようお願いしました。
紹介状コピーを拝見したところ、初診日が明記されていましたので、問題なく初診日は認められると判断しました。
診断書を医師へ依頼していただく際は、正しい内容でお書きいただくための参考資料を作成し、これに初診日を記載していただくため紹介状コピーも添付してお渡しいただいたところ、問題のない内容でお書きいただけました。
結果
無事、障害厚生年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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