もやもや病で障害厚生年金2級に認められたケース
相談時の状況
奥様よりお電話でご相談いただき、後日ご本人と一緒に無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
この方は職場で重い荷物を運んでいた最中に突然倒れ、救急搬送されました。もやもや病からくる脳内出血だと判明し、その日のうちに手術が行われましたが、左半身に強い麻痺が残りました。
上肢下肢ともに筋力は著しく低下し、感覚も殆ど無い状態でした。一応杖を使用して歩行しておられましたが、握力は2kgしかなく、握っている感覚もないため、一人での外出は不可能でした。着替えや入浴も一人では行えない状態でしたので、障害等級2級以上に該当すると考えました。
受任してから申請までに行ったこと
障害状態を正しく認識していただけるよう詳細な参考資料を作成し、受診時に医師へお渡しいただきました。ところが出来上がってきた診断書を確認すると、実体とは大きくかけ離れた、非常に軽い障害状態で書かれておりました。
奥様から医師へご確認頂いたところ、詳細な部分は医師ではなく、リハビリを担当している作業療法士が書かれたようでした。
早速奥様やご本人と一緒に作業療法士のところへ行きお話を伺ったところ、よくわからなかったようで適当に書いてしまわれたそうです。
その場で改めてご本人の実際の状況を確認してもらいながら、項目一つ一つについて細かく説明し、実態に即した内容に診断書を書き直してもらいました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められました。
脳梗塞や脳出血で片麻痺になられた場合は、肢体障害用の診断書を提出しなければなりません。肢体障害用の診断書は記載が必要な項目が多数あります。しかも各関節の筋力や日常生活上の動作については医師の主観任せになってしまうため、同じ症状でも書く医師によって程度が大きく異なることがあります。
実はこういった、実態よりもはるかに軽い内容で診断書を書かれてしまうことは良くあります。しかし一般の方は医師から受け取った診断書を見ても、適切な内容になっているかどうか判断ができません。実態とかけ離れた診断書で申請し、不支給通知が届いた時点で慌てても後の祭りです。
同じ肢体障害でも手足を切断されたような場合はどこの医師が書いても内容に大した差は出ませんが、そうでなければ医師によって内容は大きく違ってきます。障害状態を正しく審査してもらえるようにするためには、専門家のサポートが必要です。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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