不支給が再度申請してHIV感染症で障害厚生年金3級を受給できたケース
ご相談にいらした状況
ご本人からお電話でご相談いただき、後日無料相談会にご参加いただきました。
社労士舩田による見解
ご本人から詳しくお話を伺ったところ、まず悪性リンパ腫の発症が確認され、その際に後天性免疫不全症候群であることが判明したとのことでした。
ご自身で申請された平成22年頃は後天性免疫不全症候群の認定基準が定まっておらず、診断書用紙上も専用の項目は設けられていませんでした。
また、医師も障害年金に関する知識が無かったため、傷病名を悪性リンパ腫のみで作成され、内容の一部にHIVである旨は記載されていたものの、CD4値などは一切記載されていませんでした。
さらに、悪性リンパ腫やHIVが確認される数年前にB型肝炎も患ってられたのですが、ご自身で作成された病歴就労状況等申立書上にそのことも記載してしまっていたため、B型肝炎が初診日ではないかと疑われてしまい、審査に約1年もかかった挙句、不支給となっておられました。
上記のような状態で以前は不支給とされていましたが、現在はHIVの認定基準も確立されています。
エイズ発症歴があり、CD4値が基準値以上でしたので、間違いなく障害厚生年金3級に該当すると判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
まずは初診日を確定するにあたり、前回の審査で悪性リンパ腫の数年前に発症しておられたB型肝炎を初診日として判断された可能性がありました。
悪性リンパ腫とB型肝炎のどちらかのみで申請すると後々余計な時間が掛かってしまう恐れがあったため、あらかじめ両方の初診日証明を取得しました。
次に医師が障害年金についてあまりご存じではなかったため、診断書の正しい書き方についてお伝えしました。
結果
申請した3か月後に、無事障害厚生年金の3級に認められました。
後天性免疫不全症候群は、以前は認定基準が明確に定められていなかったため、障害年金を受給することが難しいと思われていました。
しかし現在は基準が明確化されており、それをクリアーしていれば、フルタイムで仕事をしていたとしても受給することができます。
そのため過去に申請して不支給とされた場合でも、あきらめずに再チャレンジされることをお勧めします。