慢性リンパ性白血病で障害基礎年金2級に認められ遡及も行われたケース
相談時の状況
まずはご本人からメールでご相談いただき、後日事務所へお越しいただいて面談を行いました。
社労士による見解
この方は約4年前に両目が霞むようになったため眼科を受診したところ、ぶどう膜炎と診断され、総合病院を紹介されました。
しかし総合病院で検査を受けても原因を特定できなかったため、さらに紹介で大学病院を受診したところ、T細胞大顆粒リンパ球性白血病を発症しており、それが原因でぶどう膜炎も発症していたことがわかりました。
慢性リンパ性白血病は進行が比較的緩やかであるため、退院後は復職されていましたが、確定診断の1年後に免疫力の低下から肺炎に罹ったり、疲れやすさや息切れが目立つようになっていったりしたため、入退院を繰り返すようになりました。
直近の血液検査結果を拝見したところ、2級に該当するほどの数値でした。
受任してから申請までに行ったこと
障害年金制度における初診日とは、病名が判明したところではなく、その傷病と関係のある症状について初めて医師の診療を受けた日であるとされています。この方の場合、ぶどう膜炎は本来別の疾患ですが、白血病の影響で発症していましたので、眼科が初診であると判断し、受診状況等証明書(初診証明)の作成を依頼してもらいました。
次に障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)頃の検査結果を病院から取り寄せてもらったところ、その当時も2級に該当するほどの数値でしたので、遡りを求めるために障害認定日時点と現時点における診断書の作成を依頼してもらいました。
病歴就労状況等申立書を作成する際は、日常生活や仕事に影響がでていることについても詳しく記入しました。
結果
無事、障害基礎年金2級に認められ、約2年半分の遡りも行われました。
障害等級の審査において一番重要なのは診断書ですが、検査結果の数値が要件を満たしていても、低い等級で決まってしまうことがあります。
その原因は、診断書の中には日常生活の状況について医師にチェックしてもらう項目があるのですが、ここを不当に軽く書かれてしまうことにある場合が多いです。この項目は医師の主観で選択されてしまうため、正しくご理解いただく必要があります。
いろいろご自身で進めてしまわれる前に、まずは専門家へご相談ください。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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