再生不良性貧血で障害厚生年金2級に認められたケース
相談時の状況
ハローワークの職員の方からご紹介頂き、後日ご本人に事務所へお越しいただきました。
社労士による見解
詳しくお話を伺うと、この方は約2年前の健康診断で貧血を指摘されていました。検査結果には治療が必要と明記されていたのですが、大したことは無いと考えてそのままにしておられました。
ところがその数か月後から動悸やふらつきを自覚するようになり、慌てて病院へ行ってみたところ、再生不良性貧血と診断されました。そのまま緊急入院となり、約1か月後に退院されました。通院治療に切り替えてからも数値が安定せず、その後も入退院を繰り返しておられました。
血液検査の結果を拝見したところ、障害等級2級に該当するほどでした。
受任してから申請までに行ったこと
以前は健康診断で、『要治療』などと出ていた場合は、健康診断を受けた日が初診日とされるケースがありました。しかし平成27年10月より施行された改正により、健康診断を受けた日は初診日として取り扱わないこととされました。
そのためこの方は、健康診断で貧血をしてきされ治療を受けるよう指示されていましたが、数か月後に悪化して受診された時点が初診日であると判断しました。
その病院には現在も継続して通院しておられ、改めて受診状況等証明書(初診日証明)を依頼する必要がありませんでしたので、いきなり診断書を作成してもらうこととなりました。
診断書の作成を依頼する際は、正しい内容でお書きいただけるよう詳細な参考資料を作成して医師にお渡しいただいたのですが、出来上がってきた内容を拝見すると、間違いや記載漏れがいくつもありました。
そのままでは申請が困難でしたので、ご本人と一緒に医師のもとへ伺い、細かく書き方についてご説明しました。
病歴就労状況等申立書を作成する際は、診断書の内容を踏まえた上で、障害状態を正しく理解してもらえるよう、日常生活の状況等もこと細かく記載しました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められました。
障害年金制度は非常に複雑なため、医師でも診断書の正しい書き方や認定基準をご存じの方は稀です。障害等級の審査は診断書などに書かれた書面上の情報だけに基づいて原則行われますので、間違った記載に基づいて審査されてしまうと、当然ですが実態とは異なる等級で決定されてしまいます。
しかし、診断書の内容が正しく書かれているかどうかを一般の方が判断するのは非常に困難ですので、まずは専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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