フルタイム勤務しながらⅠ型糖尿病で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6806)
相談時の状況
若いころからⅠ型糖尿病を患っておられる、50代の男性からご相談いただきました。
ニュースなどで、糖尿病でも障害年金を貰えることを知り、ご自身も対象になるのか知りたいとのご要望でした。
社労士による見解
この方は30歳頃に体重が1週間に1kgずつ減少するようになり、異常を感じて内科を受診したところ、Ⅰ型糖尿病と診断されました。
その後は何度か入院を経験しながら、現在も通院治療を継続しておられました。
仕事中にたびたび低血糖状態で倒れることがあったため、現場担当から事務職へ転向させてもらい、フルタイム勤務を続けておられました。
糖尿病は、Ⅱ型でも以前はHa1cが8以上であれば3級に認められる可能性がありましたが、現在は障害認定基準が変更され、インスリン治療を行っても血糖コントロールができず、かつ重度低血糖が月1回以上あったり、ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧による入院が年1回以上あるほどでなければ受給できなくなりました。
これに対してⅠ型糖尿病は、Cペプチドが0.3未満で、かつ日常生活に影響がでていると認められる場合は3級に該当するとされており、就労できている場合でも認められやすい傾向があります。
この方はフルタイム勤務できておられたものの、低血糖状態になる危険性は常にあり、同僚のサポートが不可欠な状況でしたので、認められる可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
初診日は20数年前でしたので、カルテが残っているかどうかがポイントでした。
原則としてカルテは、5年以上経過すれば破棄してもよいとされています。
しかし実際の保管期間は医療機関によってまちまちで、5年ちょうどで破棄するところもあれば、一切破棄されないところもあります。
この方が受診されたのは以前からよくやりとりをしている診療所で、カルテは破棄せずグループ全体のものを倉庫に保管されていると存じ上げていましたので、受診状況等証明書を問題なくお書きいただけました。
診断書をお書きいただく際は、Ⅰ型糖尿病の障害認定基準や正しい書き方について参考資料にまとめ、受診時に医師へお渡しいただいたところ、問題のない内容でお書きいただけました。
病歴就労状況等売申立書を作成する際は、職場での配慮の実態などについても詳しく記載しておきました。
結果
無事、障害厚生年金3級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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