肺難治性気胸で再審査請求まで争い2級に認められたケース

相談時の状況

いつもお世話になっている大学病院のソーシャルワーカーさんから、両肺難治性気胸を患っている20代男性をご紹介いただき、後日その方のお母様と事務所で面談を行いました。

 

社労士による見解

お母様からお話を伺うと、この方は高校生の頃から頻繁に気胸が起こるようになったそうです。
その度に胸腔鏡手術を受けられましたが、頻回であったため、胸膜が複雑に癒着してしまい、ドレーン挿入が不可能となり手術が行えなくなってしまいました。

その後大学へ進学されたのですが、少しの振動やくしゃみをしたときのわずかな衝撃でも気胸が起こり、手術もできないため、その都度数週間は寝たきりの状態となっていました。

障害者手帳の申請もチャレンジされましたが、呼吸器疾患としてみた場合、動脈血ガス分圧などの検査数値は正常であるため、交付されませんでした。

この方は頻繁に気胸が起こるため、日常生活に大きな支障がでていましたので、障害等級2級に該当してよいはずだと感じました。

しかし呼吸器の障害であるため、おそらく審査では慢性呼吸不全などと同様に、動脈血ガス分圧などの検査数値が重要視されてしまい、不支給となる可能性が高いと考えました。

 

受任してから申請までに行ったこと

障害年金の等級審査は、障害認定基準に従って判断されます。
障害の箇所や病気ごとに細かく基準が設定されており、「呼吸器疾患による障害」も設けられています。

呼吸器疾患の認定要領を見ると、「動脈血酸素分圧・動脈血二酸化炭素分圧・予測肺活量1秒率」が重要視されており、少なくともこの数値が基準を満たしていなければ障害等級に認められません。

ところが、実は認定基準には下記のことも明記されているのです。

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呼吸器疾患による障害の認定の対象は、そのほとんどが慢性呼吸不全によるものであり、特別な取扱いを要する呼吸器疾患として肺結核・じん肺・気管支喘息があげられる。
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これはつまり、呼吸器疾患の認定基準が適用されるのは、原則として「慢性呼吸不全・肺結核・じん肺・気管支喘息」に限られるということを意味します。
ですが、呼吸器の疾患であるというだけで呼吸器疾患の基準に当てはめて審査されてしまう可能性が高いと考え、敢えて診断書は『呼吸器疾患用』ではなく『その他の障害用』を選択し、医師に作成してもらいました。

また作成を依頼する際は、上記のことを資料にまとめて相談員さんから医師に伝えてもらい、「呼吸器疾患として審査すべきではない」旨や、日常生活に大きな支障がでていることなどを具体的にお書きいただきました。

万全の内容で申請したのですが、やはり呼吸器疾患として判断され、不支給の通知が届きました。

そこですぐに、同様の主張を再度まとめて審査請求しましたが、やはり認められなかったため、続けて再審査請求を行ないました。

 

結果

何とか不支給から、障害基礎年金2級に処分変更されました。

非常に残念ですが、審査担当者や認定医の全員が、障害認定基準を正しく理解しているとは限りません。
また一度不支給などの結果が出てしまうと、不服申立(審査請求や再審査請求)で覆すことは非常に難しくなります。

どんなに簡単そうに見える内容でも、意外なところに落とし穴が隠されていることはよくあります。
そのため申請を進めるにあたっては、状況や書類に記載された情報を細かく確認し、不当な審査を招きかねない落とし穴がないかどうかを慎重に判断しなければなりません。

それでも不当な審査結果が出てしまうこともありますので、その時は障害認定基準の細部まで正しく認識したうえで、いかに審査が不当であるかを明確に指摘して反論する必要があります。

こういった対応は、一般の方はもちろんですが、障害年金専門の看板を掲げている社労士や弁護士でも、経験や能力が十分でなければ不可能ですのでご注意ください。

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