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摂食障害が原因の高次脳機能障害で障害基礎年金1級に認められたケース

相談時の状況

30歳の息子さんについて、お父様からご相談いただきました。

入院先の主治医から、障害年金を勧められたそうです。
年金事務所へ説明を聞きに行かれたのですが、難しそうだと感じて当センターへ相談することにされたそうです。

 

社労士による見解

息子さんは、中学2年生くらいまではなんの問題も無かったそうです。
非常に活発で友達も多く、部活で野球に打ち込んでいたとのことでした。

元々ぽっちゃりタイプだったのですが、部活をがんばると体重が減り始めたため、うれしくなってダイエットに熱中するようになりました。

だんだんエスカレートしていき、中3の頃には強迫観念から、少しでも食べ物を口にすると、カロリーを消費するために異常なほど運動するようになっていました。
口数も少なくなり、友達も殆どいなくなっていたそうです。

60㎏あった体重は40㎏まで減少し、それでも水さえ飲まなくなっていたため、スクールカウンセラーの紹介で精神科へ通院するようになりました。

高校には入学1週間で行かなくなり、自室に閉じ籠るようになってからは逆に過食傾向となった時期もありました。

16歳の時には、精神科で処方された睡眠薬をこっそり溜めて、アルコールと一緒に飲んで自殺を図り入院しました。

その後は様々な精神科へ通院しましたが摂食障害は良くならず、25歳頃には体重が30㎏まで減少しました。

命の危険があるほどでしたので、その後は入退院を繰り返して今に至っているそうです。

本来摂食障害は、単独では障害年金の対象となりづらい傷病です。

しかしこの方は、長年に渡る栄養不足から前頭葉が委縮してしまい、高次脳機能障害となって一人では生活していけない状態でした。

回復する見込みもなく、一生介護が必要な状態でしたので、間違いなく障害等級に該当すると判断しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

障害年金は、現在の障害状態について診断書で医師に証明してもらうだけで受給できるわけではありません。

まずは初診日を、原則カルテに基づいて証明する必要があります。
しかしカルテは、法律で5年以上経過したものは破棄しても良いとされているため、慎重な対応が求められます。

この方が中学から高校にかけて通院しておられた精神科は、カルテを永久保管されていることを知っていましたので、問題なく証明書を作成していただけました。

診断書をお書きいただく際は、実は現在入院中の病院は数か月間しか掛かっていなかったため、医師が今までの経緯を細かく把握しておられませんでした。

診断書をお書きいただく際は詳細な経緯をお書きいただく必要がありましたので、ご両親から細かくヒアリングを行い、それを資料にまとめました。

その病院には何人か知り合いの相談員の方がいらっしゃいましたので、その方を通じて医師に資料をお渡しいただき、状況についてご説明いただいたところ、問題の無い診断書をお書きいただけました。

 

結果

無事、障害基礎年金1級に決まりました。

 

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